同じカラコンなのに、自分がつけるとまったく違って見えるのはなぜか

カラコンを使う人なら、いつか必ずこんな経験をします。
モデルの写真を見ます。
完璧です。
グレーとブラウンのあいだの、やわらかな虹彩。
小さなハイライト。
ミステリアスなのに、明らかな作りものには見えない。
そのレンズをそのまま注文します。
荷物が届きます。
つけてみます。
鏡を見ます。
すみません、どなたですか?
なぜこんなことが起きるのでしょうか。
商品写真はみんなうそなのでしょうか。
ときには、たしかに加工が手伝っています。
しかし、もっとおもしろい理由があります。
カラーコンタクトは、口紅のように色をつくるわけではないのです。
カラコンには、実は目の最終的な色は入っていない
ブラウンのアイシャドウを塗れば、見える色はほとんど顔料で決まります。
カラコンは違います。
多くのレンズは、部分的に透ける印刷の模様を使っています。
小さな点。
透明なすき間。
グラデーション。
濃い外側のリング。
場所ごとに違う透け感。
だから、目の最終的な色は次の組み合わせでつくられます。
もともとの虹彩+レンズの印刷の模様+照明。
レンズは、ひとりで演じているわけではありません。
共演者がいます。
あなた自身の目です。
だからこそ、同じ「アッシュグレー」のレンズが、ある人にはスモーキーなグレー、別の人にはグレーがかったブラウン、また別の人にはほとんど青に見えるのです。
同じ製品。
違うキャンバス。
モデルのもともとの目の色は、多くの人が思うより大切
カラコンを買うとき、人はたいていモデルの顔を見ます。
その前に確かめておきたいことがあります。
モデルのもともとの虹彩の色です。
透明感のあるベージュのレンズを、とても濃いブラウンの虹彩に重ねると、深く落ち着いた自然な色になることがあります。
同じレンズでも、明るいブラウンの虹彩にのせると、ずっと明るく見えることがあります。
グレーは、ある人にはチャコールに、別の人にはクールなシルバーになります。
オリーブは、濃いブラウンの目には溶けこんで見えなくなったり、明るめの虹彩では驚くほど緑に見えたりします。
カラコンのレビューに、こんな一文がよく出てくるのはそのためです。
「本当に同じレンズ?」
たいていは、同じです。
違うのは、目のほうなのです。
DIAは、あなたが思っている数字ではない
ほとんどのコンタクトレンズには、DIAの値が書かれています。
14.0mm。
14.2mm。
14.5mm。
多くの人は、DIAが大きいほど目が大きく見えると自然に考えます。
カラコンでは、それがまちがいのもとになることがあります。
見た目には、もう一つの数字のほうが大切なことが多いのです。
着色直径(Graphic Diameter)。
カラー直径や印刷直径とも呼ばれます。
レンズ全体は14.2mmでも、色の模様は12.8mmしかないことがあります。
別の14.2mmのレンズは、着色直径が13.6mmかもしれません。
この2枚は、まったく違って見えることがあります。
韓国のブランドが、着色直径で選べるようにすることが増えているのはそのためです。
この数字がわかれば、カラコンの仕上がりはずっと予測しやすくなります。
0.3mmの違いは、ごくわずかに聞こえます。
虹彩の上では、表情全体を変えることがあります。
そして、ふちのリング
自然な目をよく見てください。
虹彩の外側のふちは、中心より暗く見えることがよくあります。
その境目は、ふつうリンバルリングと呼ばれます。
カラコンは、それを強調することができます。
外側のリングがはっきりしていると、虹彩がくっきり引きしまって見えます。
実際の着色直径があまり大きくなっていなくても、目が大きく見えることがあります。
やわらかなリングなら、なじんだ仕上がりになります。
リングがなければ、レンズは軽やかで透明感のある印象になります。
だから着色直径がまったく同じ2枚のレンズでも、まったく違う顔をつくることがあるのです。
「13.4mmならいつも似合う」が当てにならないルールなのは、そのためです。
数字はデザインを説明します。
デザインの代わりにはなりません。
最新のレンズは、色を変えるだけではない。光をデザインしている
今の韓国や日本のカラコンでもっともおもしろい流行の一つが、ハイライトレンズです。
虹彩を均一に色づける代わりに、デザイナーは特定の場所に明るい部分や透明な部分を置きます。
ねらいは、反射した光を再現することです。
虹彩がつやつやして見えます。
立体的に見えます。
ほとんどうるんで見えます。
写真では、その効果が目を引くことがあります。
しかし、ここで技術的におかしな問題が生まれます。
コンタクトレンズは回ることがあるのです。
虹彩の下のほうにあるはずのきれいなハイライトが横に回ってしまえば、効果が変わります。
つまり、ファッションレンズの会社が突然、向きや回転の安定を気にしなければならなくなったのです。
美容と機械工学の出会いです。
すべては、だれかがもっときれいなキャッチライトをほしがったからです。
照明はあなたを裏切る
グレーのレンズは、暖かい室内の照明では完璧に見えるかもしれません。
そして外に出ます。
突然、とてもグレーになります。
逆のこともあります。
室内ではほとんど目立たないブラウンのレンズが、日の光の下では輝いて見えるのです。
なぜでしょうか。
虹彩は、決まった色の値ではありません。
光によって、目の見え方が変わります。
瞳孔の大きさが変わります。
虹彩が反射する光の量が変わります。
レンズの透明な部分から、もともとの目の違う部分がのぞきます。
そこに、スマートフォンも加わります。
HDR。
露出補正。
ホワイトバランス。
ポートレートモード。
美肌フィルター。
SNSから保存した完璧なヘーゼルの瞳には、何人もの協力者がいたのかもしれません。
コンタクトレンズは、そのうちの一人にすぎませんでした。
同じ色でも、1日使い捨てと1か月用で違うことがある
もう一つの細かいややこしさがあります。同じ色の名前がついた1日使い捨てと1か月用が、いつもまったく同じに見えるとはかぎりません。
レンズの素材、水分の性質、つくりが違えば、色の見え方が変わることがあります。
同じデザインの1日使い捨て版と1か月版で、色が少し違うことがあると明記しているブランドもあります。
だから、製品名でさえ、まったく同じ見た目を約束することはできません。
カラコンは、ペンキの色見本というより、水彩絵の具に近いのです。
下にあるものと影響し合うのです。
いちばんよいカラコンは、いちばん派手なものとはかぎらない
いちばん高いレンズ?
そうとはかぎりません。
いちばん大きいもの?
違います。
好きなアイドルがつけているもの?
それも違います。
いちばんよいカラコンとは、自分の目の上で、本当にほしかった効果をつくってくれるものです。
ほとんど見えないブラウンのこともあります。
すっきりしたグレーのこともあります。
写真用なら、少し大きめの着色直径が好みかもしれません。
職場では、小さめのほうがよく見えるかもしれません。
黒っぽい髪には、ある色味が合います。
金髪なら、突然別のものがしっくりくるかもしれません。
カラコンについていちばん簡単な考え方は、メイクのように扱うことです。
「赤い口紅とヌードの口紅、どちらがいいか」
という問いには、意味のある答えがありません。
何のために、よいのでしょうか。
コンタクトも同じです。
ただし、「美容品」という考え方を止めるべき場所が一つある
安全です。
透明でも、ブラウンでも、グレーでも、「ムーンライトデューイココア」のようなきらびやかな名前でも、コンタクトレンズは目に直接のります。
だから、製品が本物であること、衛生、正しい処方、正しい装用は、ふつうの化粧品よりはるかに大切になります。
シンガポール保健科学庁(HSA)はコンタクトレンズを医療機器として規制しており、不適切な製品や使い方は、感染症や角膜の損傷などの重い合併症につながることがあると警告しています。
だから、カラコンには少し退屈だけれど、すばらしいルールが一つあります。
**見た目には大胆に。
目の安全にはとことん慎重に。**
目は2つしかありません。
次のシーズンにも、ブラウンの新しい色はいつでも出てきます。