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日本では処方箋を提出せずにコンタクトレンズを買える。それなのに、なぜ国は「処方箋不要」という言葉を嫌うのか

2026.08.28
日本では処方箋を提出せずにコンタクトレンズを買える。それなのに、なぜ国は「処方箋不要」という言葉を嫌うのか

台湾では、国内のふつうのネット通販でコンタクトレンズを売るのは難しくなっています。

日本に目を移すと、状況はかなり違って見えます。

日本では、適切な許可を持つ販売者がコンタクトレンズをオンラインで販売でき、医師の処方箋の提出がすべての購入に共通する法律上の要件というわけではありません。

そのため日本の消費者は、多くの場合、処方箋をアップロードせずにオンラインで注文できます。

しかし、意外なひねりがあります。

厚生労働省は、医療機関を受診しなくてもよいと客に思わせるような販売のしかたについて、販売者にはっきり注意をうながしているのです。

その中には、次のような表現が含まれます。

「処方箋不要」

そして

「検査不要」

一見、矛盾しているように聞こえます。

レンズを買うのに処方箋を出さなくてよいのなら、そう言うことの何が問題なのでしょうか。

2つの違う問いが混同されているからです。

買うためにどんな書類が必要かということと、目を検査してもらうべきかということは、同じではありません。

日本ではコンタクトのオンライン販売ができる

日本では、コンタクトレンズはふつうのアクセサリーではなく、規制された医療機器です。

販売する事業者は、必要な許可と管理の要件を満たさなければなりません。

その要件を満たせば、インターネットでの販売ができます。

そして日本の法律は、コンタクトレンズを販売する前に、すべての客が医師の処方箋を販売店に渡すことを一律に求めているわけではありません。

そこから、次の思いこみが生まれやすくなります。

「処方箋を出さずに買えるなら、眼科に行かなくてもいい」

国の立場が変わるのは、まさにここです。

問題は、処方箋がないことだけではない

2017年、厚生労働省はコンタクトレンズの適正な使用のための情報提供について通知を出しました。

販売店には、医療機関を受診することの大切さと、医師の指示に従ってコンタクトレンズを使うことの大切さを、はっきり伝えるよう求められました。

通知は、次のような表現を、

「処方箋不要」

あるいは

「検査不要」

消費者に受診は必要ないと思わせるような形で使う販売のしかたを、不適切なものとしてはっきり挙げています。

この区別が、日本の方針の多くを説明しています。

「処方箋を提出しなくても買える」と「目の検査はいらない」は、まったく違う2つの言葉です。

1つ目は、購入の手続きについてのことです。

2つ目は、医療についてのことです。

取り替えのきくものとして扱うべきではありません。

なぜコンタクトは、ふつうの製品と違う扱いを受けるのか

メガネと違って、コンタクトレンズは目の表面に直接のります。

選ぶことは、処方の数字を合わせるだけのことではありません。

レンズの仕様、フィット、装用の習慣、目の状態、正しい手入れが、どれも関わってきます。

赤み、痛み、不快感が続いているのにレンズをつけ続けると、小さな不便に見えたものが、もっと重い目の問題に変わることがあります。

だから日本のやり方は、すべての購入を紙の処方箋に結びつけるだけのものではありません。

むしろ、買える自由が、専門家による目のケアは不要だという証拠のように宣伝されないようにすることを大切にしているのです。

この区別が見えれば、見かけ上の矛盾は消えていきます。

日本にはコンタクトレンズをどれだけ個人輸入できるのか

日本は、海外からコンタクトレンズを個人で輸入する人のための数量の目安も定めています。

厚生労働省は、レンズの種類ごとにその上限を説明しています。

1日使い捨てレンズの上限は、60回分です。

交換期間が決まっているレンズは、ふつう2か月分の使用量が基準になります。

つまり2週間交換のレンズなら交換4回分です。

1か月交換のレンズなら交換2回分です。

手入れを続けながら長く使うレンズの目安は、2組です。

ここに、とくに大切な点が一つあります。

国は、1日使い捨てレンズを単に「2箱」とは説明していません。

60回分という考え方を使っているのです。

「2箱」より「60回分」のほうが正確な理由

包装はさまざまです。

あるブランドは1箱に30枚を入れて売っています。別の製品は、違う包装の組み合わせかもしれません。

ルールを「2箱」と覚えていると、包装が変わったとたんに答えがまちがいになることがあります。

厚生労働省は、1箱にいくつも入っている場合、数量は外箱の数ではなく中身で数えるとも説明しています。

だから1日使い捨てについて覚えておくべき数字は、

60回分まで

です。

交換スケジュールが決まっているレンズなら、

2か月分まで

と考えましょう。

包装を決めるのは販売店です。

規制が見ているのは、実際の量と使い道です。

注文を分ければ、上限はリセットされるのか

ここは大切なところです。

国の案内は、製品を別々の荷物に分けても、それぞれが別の枠になるとはかぎらないと説明しています。

同じ人が、関係する期間内に同じ製品を輸入し、その合計の量が輸入確認なしで個人輸入できる範囲を超える場合は、輸入確認の手続きが必要になることがあります。

つまりルールは、単に、

「どの荷物も60回分未満にすればいい」

ではありません。

同じ期間内にくり返し注文しても、そのたびに新しい枠が自動的に生まれるわけではないのです。

使い捨てのコンタクトレンズや交換期間が決まっているレンズについて、案内はこの合計量の考え方を説明する際に2か月の期間を使っています。

これは、簡易な個人使用の手続きを6か月に1回と明記している台湾のしくみとの、大きな違いの一つです。

台湾と日本は、似た数字を使うが論理が違う

おもしろい偶然があります。

台湾の1日使い捨てレンズの簡易な個人使用のルールには、処方箋1枚につき60枚という数字があります。

日本の1日使い捨ての個人輸入の案内は、60回分を使っています。

一見、ほとんど同じに見えます。

しかし、その背後の論理は違います。

台湾は、簡易な輸入の手続きについて、数量の上限と回数のルールをはっきり組み合わせています。

日本は、使い捨てのコンタクトを2か月分の使用量にあたる量として考え、関係する期間内の輸入の合計も考慮に入れています。

だから、2つのしくみを、

「どちらの国も2か月分まで」

という単純な言葉にまとめないほうが安全です。

似た数字が、同じ規制を意味するとはかぎりません。

日本でもオンラインで売っているのに、なぜ海外から注文するのか

ここで、当然の疑問が残ります。

日本にはすでに大きなコンタクトレンズの小売市場と、たくさんのオンラインショップがあります。なぜ海外を探す人がいるのでしょうか。

答えは一つではありません。

特定のブランド、度数の範囲、包装の組み合わせが、市場によって違うことがあります。

いくつかの国に住んだことがある人や、よく旅行する人は、海外のルートで製品を買うことにもともと慣れているかもしれません。

価格、配送の選択肢、手に入りやすさを、いくつもの市場で比べる人もいます。

けれども、海外で買う理由が何であれ、買うルートが目のケアの必要をなくしてくれるわけではありません。

どこでレンズを買うかということと、そのレンズが自分の目に合っているかということは、別の問いです。

処方箋を求めない店だから、便利だと言えるのか

そうとはかぎりません。

処方箋をアップロードせずに注文できる店は、自分たちの購入の手続きを説明しているだけです。

そのレンズがあなたの目に合っていると保証しているわけではありません。

同じように、すべての販売者に一律に当てはまる法律上の要件ではなく、自分たちの販売方針として、最近の処方の情報や眼科の情報を求める店もあるかもしれません。

次の3つを分けて考えると役に立ちます。

法律上の要件、販売店の方針、医学的な勧め。

日本でのコンタクトの買い方をめぐる混乱の多くは、この3つを分ければ消えていきます。

海外でコンタクトを買うときに確認すること

まず、今使っている製品そのものから始めましょう。ブランド、度数、仕様、包装のサイズです。

度数の数字だけが同じでも、どのコンタクトレンズでも取り替えがきくわけではありません。

使用期限、包装が破れていないか、販売店の仕入れ方、配送と返品の方針も確認しましょう。

そして、強い充血、痛み、見え方の変化、続く不快感があるなら、オンラインでもう1箱注文することが、目の検査の代わりになってはいけません。

インターネットは、レンズの買い方を変えられます。

あなたの目を検査することはできません。

では、日本で買う人は何を覚えておけばいいのか

2つの考えで十分です。

1つ目。

処方箋を提出せずにコンタクトレンズを買えることは、目の検査が不要だという意味ではない。

2つ目。

個人輸入では、箱の数ではなく、実際に使う量で考えること。

1日使い捨て:60回分。

交換スケジュールのあるレンズ:ふつう2か月分。

そして同じ製品をいくつもの荷物に分けても、関係する期間内に輸入した合計が無視されるわけではありません。

日本のコンタクトレンズのルールは、最初は矛盾しているように見えるかもしれません。

処方箋を出さずにコンタクトを買える。

オンラインでも買える。

それと同時に国は、販売者がその事実を、専門家による目のケアは不要だというメッセージに変えることを望んでいません。

原則は、見た目より単純です。

買う自由と、目を大切にする責任は、同じものではありません。

購入ボタンはオンラインにあってもかまいません。

目の検査は、オンラインにはありません。

公式の参考情報

この記事は、医療機器の個人輸入と、コンタクトレンズの適正な使用のための情報提供に関する、厚生労働省の現在の案内にもとづいています。規制や行政の案内は変わることがあるので、注文する前に最新の公式情報を確認してください。